慈雨のイギリス留学日記

慈雨のイギリス留学日記

開発屋になりたい

子供だった時のこと覚えてますか?産休・育休と時短のこと。

あなたの周りには、産休・育休・時短で働いている人がいますか?

 

すでに会社は辞めましたが、バックデートで職場や仕事のことを振り返っていきたいと思います。

私が勤めていた会社は、それなりに名前の知れたメーカーです。福利厚生は悪くない方だと思います。メーカーは労働組合も強いし、そう言う傾向にありますよね〜。

また、先輩の女性社員達がいままで頑張ってくれたおかげで、産休・育休はほぼ確実に取れるし、その後も時短勤務が可能なので、だいたいの女性社員は子どもを保育園に預けて仕事を続けます。

 

(男性社員はまだまだです。でもだんだん変わって行くでしょう。)

 

 

1.制度とは違う、感情の話

f:id:natsunojiu:20170707101607j:plain

一方で、制度的な話とは別にして、職場の人が、産休・育休・時短をどう捉えるかって言う問題があるんですよね。

たとえばこんな話があります。

【育休】同僚に「図々しい」と言われました : キャリア・職場 : 発言小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 

子どもがいる人といない人の不公平感みたいなのは、それが正当かは別として、実際に職場で発生するものです。

私の職場にも時短で働いている同僚がいました。私は間も無く仕事を辞める立場だったわけですが、引き継ぎ相手がこの時短の同僚でした。

ある日、最も大事な定例会議の準備をしていた時、お迎えの時間になったのに、同僚は仕事を完了できていませんでした。当然残業もできませんから、自分でリカバリーすることは、その人にとっては不可能なわけです。

となると、その仕事はどうしても今日中にやらなくてはならないですから、私が肩代わりするほかありません。でも、引き継ぎは今月しかできないので、私はその人に自分で作業してみて欲しかったんです。

ここでこの人を返せば、私の作業が増えて残業は確実。しかも引き継ぎのフォローも改めて行わなくてはならない。なぜ私はこの人の作業を肩代わりするのか…?と一瞬考えました。

 

 

2.社会貢献?社会の負担?

 

この場合、残業してフォローする側は、もしかしたら「子どもを持ってる人は会社ではまわりに負担をかける存在だ」と思っているかもしれません。

 

一方で、「子なし税」なんてものを主張する人もいます。子どもを持つことはむしろ少子化社会への貢献である。よってこの貢献を行わない人には課税しますよ、と言うような考え方ですね。

DINKSに対する課税強化!! : 生活・身近な話題 : 発言小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 

まあ、確かにこれだけ少子化少子化言われていて、産めよ増やせよと攻められれば、そういう気持ちになるのも、わからないでもないですよね。人によっては、親だとか友達からだとか、謎にプレッシャーがかかったりしますから、大変ですよね…。

私には子どもがいないので正直勘弁してくれ、と言う気持ちですが。笑

 

3.子供って、親の持ち物なの?

 

どうでしょう。これらの議論、どちらにも違和感がありませんか。

そもそも、子供ってなんなんでしょうか?親が自己実現するための贅沢品ですか?親が義務を果たすための成果物ですか?

 

この二つの考え方に共通して、根っこにあるのは「子供は親の持ち物」という考え方ではないでしょうか?

 

 

4.子供は、年の若い、私たちの仲間である

 

でも、子どもは、人間です。

当たり前のことなのに、いつの間にかこの全体が崩れている議論が多いなあと感じています。

 

私には子どもがいませんが、でも子どもだったことがあります。だから、別に子供あり家庭の味方にも、子供なし家庭の味方にもなるつもりはありません。そもそもそんな二つに分かれて議論するような問題じゃないんです、これは。

「子供」は、昔自分が経験したもの。経験がなく、まだ身体も小さく、ちょっと生きて行くのが不安だったころの自分。その子どもを助けるのは自然なことのような気がします。それは親だけの義務ではないし、そして同時に、その子供は親だけのものでもない。

 

子どもが嫌いだっていいんです。だれにも苦手なものはあります。私だって、中学生の男の子に限ってものすごく苦手です。なんか強そうだから。笑

 

5.子どもの親を通して、社会全体で子どもをそだてる

 

子どもは、まだ若くて弱い、私たちが守るべき後輩です。でも、その守るべき後輩をサポートできるのが、目の前の同僚(子供の両親)だけなのかも知れません。だとしたら、その仕事(お迎え)を最優先してもらうべきです。仕事と一緒です、ほんと。

私がラッキーだったのは、同僚のお子さんに一度会っていたことです。同僚に「あの子のお母さんはあなただけなのだから、お迎えに行ってください」と言えたのは、脳裏に可愛らしい赤ちゃんの顔が思い浮かんだからこそ。

だから、職場環境、人間関係、お子さんの事情が許すなら、一度会わせてもらうのは一つの手だと思います。

 

一方で、あなたが業務を肩代わりしたり、サポートする余裕がないなら、決して無理をする必要はないと思います。それは義務ではありません。それで仕事が回らなくなるなら、それはマネジメントの責任です。上司に訴えましょう。

それがもし改善されないとしたら、それは親たちの問題というよりは、人員計画をしっかりできない会社の責任です。そんなところで従業員が真っ二つに別れるべきではありません。

時短や育休の人がいようがいなかろうが、マネジメント能力の欠如した部署はどこかで問題を起こしますから。

 

そして、そのせいで子供を持つことをためらう人が増えて、少子化が進むとしても。それは、職場、会社、ひいては社会のキャパシティの欠如によるものです。個人の責任では全くありません。

子供を持つ持たないは個人の判断ですが、マクロで見れば、もっと大きなところで決定されているのです。誰か特定の個人を攻撃するような性質の話ではありません。あなたは、あなたにできることをやってあげればいいのです。

その結果、日本がどこへ向かっていくかは共同責任です。みんなで受け入れるしかありません。

 

子どもの頃のこと、覚えていますか?ちょっと思い出してみると色んな発見があるのではないでしょうか。